TOKYOスマホサポーター

東京都デジタルサービス局 Bureau of Digital Services

「TOKYOスマホサポーター」相談会インタビュー

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令和5年3月15日 西東京市役所田無庁舎ロビー

令和5年3月15日、西東京市役所田無庁舎ロビーにて、東京都主催の「スマートフォン相談会」が開催されました。会場には開始時刻の前から多くの相談者が来場、その様子からスマートフォンに関する困りごとを持つ方が予想以上に多いことがうかがえました。 この相談会にアドバイザーとして参加されたTOKYOスマホサポーター4名の方に、実際の活動内容を中心にお話を聞きました。

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左から
●計良美智子(けいらみちこ)さん
 福祉用具アドバイザー

●鈴木友里(すずきゆり)さん
 パソコン・スマホ教室主宰

●山根明(やまねあきら)さん
 東京スマホ研究会主宰

●今安知成(いまやすともよし)さん
 ITアドバイザー

TOKYOスマホサポーターとしての活動、そのリアルな現場は…

―相談はどのような内容が多いですか?

計良さん:人によってまちまちですが、二次元バーコードの読み取り方やカメラ機能の使い方の相談を受けることが多いですね。今日に限っていえば新しいスマホを買って1か月くらいという方が多かったです。

鈴木さん:いろいろな種類のスマホがあって、どれを選んだらよいのかわからないと悩んでいるご年配の方が多いです。

山根さん:スマホは機種ごとに使い方がかなり違うので、機種変更後の困りごとは多いですね。あと、SNSや二次元バーコードについての相談が多いです。

今安さん:私の印象では相談内容は人それぞれです。あと、音声入力の使い方を教えてあげるとよろこばれることが多いです。

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▲親身にコミュニケーションを取りながら、相談者と一緒になって、問題をひとつずつ解決していく

―今日はひとり30分の相談時間でしたが、相談者の悩みや疑問は解決できましたか?

計良さん:すべて解決することができました。皆さん笑顔になって帰っていかれました。

鈴木さん:私のところではパスワードやメールアドレスがわからなくなった相談者さんがいて、30分以内では解決できなくて、もう一度順番待ちをされて2回目の相談をなさっていました。ご年配の方だったのですが、やはりショップでの相談は少し気後れされるようで、こうした公の相談会の方が利用しやすいというお話をいただきました。

今安さん:内容にもよりますが、30分だと相談を受けられるのはだいたい2、3点くらいです。中にはたくさん相談事がある人もいるので、私はまず優先順位を確認するようにしています。

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▲ショップより気軽に相談できるという理由で訪れる人も

―これまでに想定外の相談をされた経験などありますか?

計良さん:自分が契約しているキャリアがわからないという方が…。聞いた時はびっくりしたのですが、家電量販店などで家庭のインターネット回線とセットで契約されたケースなど、意外にキャリアを知らないまま使ってらっしゃる方も多いようです。

鈴木さん:70代の相談者さんに「推し活」で海外に行くので、現地でスマホを使うにはどうすればいい?と聞かれたことがあります(笑)

世代を越えたコミュニケーションから新しい学びも

―相談者さんはご年配の方が多いと思いますが、サポートする上で何か気をつけていることはありますか?

計良さん:「タップ」とか「スワイプ」といった専門用語をなるべく使わないようにしています。「ネコちゃんをなでるようにやさしーく触ってください」とか、「下から上にすうーっという感じで」とか言葉を変えて伝えています。技術的な情報を教えることも大切ですが、まずは相談者さんに伝わるように、どう伝えるかという点がとても大切です。TOKYOスマホサポーターのオンライン研修でも教わりますが、サポーター活動でとても重要なポイントだと個人的に思っています。

鈴木さん:やはり相手は初対面の方ですから、基本は敬語でお話するようにしています。教えてあげるという態度ではなく、きちんと敬意を持って接することが大切だと考えています。

山根さん:若い世代は上の世代のことを、上の世代は若い世代のことをお互いに学び合うような関係になれるといいですね。またシニアがシニアに教えるというカタチもひとつの理想だと思います。

―サポーター活動をすることで自分にとってプラスになったことはありますか?

計良さん:ご高齢の方とのコミュニケーションの取り方についてとても勉強になります。私は介護関係の仕事をしているので、サポーターでの経験は普段の仕事にも活かすことができています。

鈴木さん:自分とは違うアプリの使い方をされている方もいらして、自分にとっても勉強になることが多いです。

山根さん:80歳過ぎてスマホに挑戦されている方などにお会いすると、自分もまだまだがんばろうと逆に元気をもらっています。

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▲自分自身が悩んだ経験が相談に生きる場面も少なくない

サポーター制度で“支え合い”の輪をさらに大きく

―サポーターとしてやりがいを感じるところはどんな所ですか?

計良さん:一期一会だからこそのコミュニケーションという点に魅力を感じています。短い間でどのように伝えるべきか学び、工夫した事で「来てよかった」と泣いて喜んでもらえた時はとてもやりがいを感じました。

鈴木さん:「ああ、そういうことだったのか」と悩みが解決できて目の前でよろこばれている姿を見ると本当にうれしい気持ちになります。

山根さん:誰かの役に立てることは自分が生きている証です。「来てよかった」という相談者さんの笑顔が私のエネルギー源になっています。

今安さん:やはり人によろこんでもらえることがいちばんです。私は今日知ったことを周りの人にもぜひ教えてあげてくださいとお伝えしています。

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▲人によろこんでもらえることが何よりのモチベーション

―TOKYOスマホサポーターの活動について、今後の課題やご自身の抱負などがあればお聞かせください

計良さん:ご高齢の方の中には遠出ができない人も多くいらっしゃるので、地域センターなどより身近な場所でこうした活動がもっともっと広がっていくといいですね。今回で3回目の参加ですが、これからも機会があれば積極的に参加していきたいと思います。

鈴木さん:各地域に合わせた会場の選定など、さらにきめの細かい対応ができるといいなと思います。私自身は日々進化していくスマホに対してこれからもアンテナを張って学んでいこうと思っています。

山根さん:たとえば電源の入れ方ひとつを教えるだけでも立派なサポートです。いろいろなカタチでサポーター活動が地域のコミュニティにもどんどん広がっていくことを期待したいです。

今安さん:サポーターとして基本的な部分は共通の講習で学ぶことが大切ですが、これからは各サポーターの個性や得意分野を活かしたサポートの仕方もあっていいかもしれません。

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▲会場には相談会開始前から終了時刻まで途切れることなく多くの相談者が訪れました

相談者とTOKYOスマホサポーターが一緒になって問題解決に取り組んだ「スマートフォン相談会」。会場では、悩みや疑問が解決した相談者の笑顔はもちろん、アドバイスをするTOKYOスマホサポーターの皆さんの笑顔も印象的でした。
支え合いの中から生まれる、新しい学びや気づき、そして誰かの助けになれるという充実感とよろこび。インタビューをした4人の方それぞれの言葉や表情から、TOKYOスマホサポーターの魅力を感じることができました。