TOKYOスマホサポーター

東京都デジタルサービス局 Bureau of Digital Services

「ロールプレイング研修」参加者インタビュー

イメージ

令和5年10月14日・15日の2日間、東京都新宿区(TKP新宿西口カンファレンスセンター)において、TOKYOスマホサポーターを対象にした「ロールプレイング研修」が実施されました。
研修の前半は講師による講義、後半は参加者が二人一組となってサポーター役と相談者役を交互に演じる実技演習が行われました。実際の相談場面を想定したロールプレイングで良かった点や改善点などを確認し、スマホサポーターとして活動をはじめる前に、より具体的なイメージを体験する貴重な機会となりました。
この研修に参加された3名のTOKYOスマホサポーターの方にお話を伺いました。

世代も経験もそれぞれ、様々なきっかけでスマホサポーターに

―TOKYOスマホサポーターに登録をされたのはいつですか?

野村さん:3か月前くらいです。SNSで流れてきた募集CMでこの制度を知って登録をしました。

朝日さん:私はこのサポーター制度がはじまってすぐの頃だったと思います。オンライン研修を受けてから少し時間が経ってしまったので、もう一度確認する意味もあって今回の研修に参加しました。

阿部さん:1か月くらい前です。今年の3月から地域のスマホ教室で教えたりもしています。

イメージ

左から
●野村駿太さん

●朝日文子さん

●阿部慶一さん

―TOKYOスマホサポーターになろうと思ったきっかけは何ですか?

野村さん:ふだんから家族にスマホのことをよく聞かれて教えていたので。もしかしたら自分はスマホサポーターに向いているのかな?という思いから登録しました。

朝日さん:シニア向けにパソコンやスマホを教えるNPOに参加していたことがあるんですが、2年ほど前に活動がなくなってしまって登録しようと思いました。

阿部さん:頼まれて半年ほど前から隣の町会のスマホ教室で教えているのですが、地元の大田区でも相談会を開きたいので、スマホサポーターに登録しました。

―前半に行われた講義で新しい気づきや発見はありましたか?

野村さん:知識も必要だけれど、「知識よりもまず相談者に寄り添う気持ちが大切」という話が印象に残りました。

朝日さん:ただ質問に答えるだけではなく、その相談者にとってどんな情報が必要か。そこをうまく聞き出していくことも大切だと知りました。

阿部さん:講義の中で教えていただいたLINEの「Keepメモ」という機能。私の知らない機能だったので勉強になりました。

イメージ

▲前半の講義では、サポーターとして心がける点や高齢者への接し方、よくある質問などを確認

実践的なロールプレイングで、新たな気づきや発見へ

―二人一組のロールプレイングでご自身の良かった点や今後の改善点は見つかりましたか?

野村さん:丁寧な言葉遣いはできているけれど、もう少し自信を持って説明した方が良いとアドバイスされました。ぼくは焦るとつい早口になってしまうタイプなので、ふだんの良くないところが出てしまったという感じです。

朝日さん:私はつい「指さし」をしてしまうクセがあって。相談者は初対面の人なので不快に感じる方もいますから、気をつけないといけないですね。

阿部さん:元気に説明するところは良いが、早口になってしまう点が気になるとご指摘いただきました。自分ではあまり意識していない所も、人はよく見ているなあと思いました。

イメージ

▲研修の後半は、参加者が二人一組となってロールプレイングを実施

イメージ

▲サポーター役と相談者役を交代で行い、チェックシートでお互いを評価

―ロールプレイングを体験されて気づきや発見はありましたか?

野村さん:向かい合って座っている相談者のスマホは逆向きなので、それを見ながら説明するのは意外にむずかしいと思いました。あとは画面に相談者の個人情報が出てきた時の配慮の仕方をどうするか、今後考えていきたいです。

朝日さん:基本的に相談者のスマホを私が手に取って操作することはできないので、そこはむずかしかったです。ここは経験かも知れませんね。あとは今日パートナーとなった方がAndroid、私がiPhone。OSがちがうと操作もずいぶんちがうことを実感しました。

阿部さん:私は5人くらいの人を相手に教えるというスタイルでスマホ相談の経験があるのですが、今日のように1対1の相談は相手のレベルに合わせて答えてあげられるので、そこがとても良いなと感じました。

イメージ

▲ロールプレイング後にオブザーバーの講師からアドバイスを受けて相談時のポイントを学ぶ

それぞれの思いを大切に、自分らしくサポーター活動へ

―ご自身にとって理想とするサポーター像はありますか?

野村さん:理想のサポーター像とは少し違いますが、ふだん高齢者と接する機会がほとんどないので、このサポーター活動が幅広い世代の人とコミュニケーションをとる機会になればと思っています。

朝日さん:相談に来た人に満足してもらえるようなサポーターになりたいですね。やっぱり喜んで帰っていただきたい。それが私自身のモチベーションになりますから。

阿部さん:教える先生ではなく、相談者と同じ立ち位置で一緒に考えられるサポーターになりたいです。それと私は元消防士なので、スマホ操作を覚えることは防災のひとつだと考えています。今は災害情報もスマホでキャッチする時代。だからスマホサポーターも防災の一環という気持ちで活動をしていきたいです。

―今回の研修についての感想、またスマホサポーター制度の今後に期待することなどありますか?

野村さん:オンライン研修のスライドを見るだけでは学べることに限界があると感じていたので、今日の研修に参加できて良かったです。これからは動画を使った研修があってもいいかも知れません。

朝日さん:実際の相談会がイメージできました。この研修に参加してとても良かったと思います。できれば、これまでの相談でこんな質問があったとか、どういう時に困ったかなどサポーター経験者の体験談を知りたいですね。

阿部さん:最終的には行政がリードするのではなく、行政は後ろからサポートするようなカタチが理想だと私は思います。サポーターと相談者が主役となって進めていく活動になると良いですね。

これからサポーター活動をはじめる人、スマホサポーターになってみたい人へ。
大切にしたいポイントを講師の方にお聞きしました。

スマホサポーターをはじめる方がいちばん不安に感じるのが、「自分の知らないことを聞かれたらどうしよう」という点だと思います。しかし、問題の解決だけがスマホサポーターのゴールではありません。いちばん大切なことは、相談者の気持ちにしっかり寄り添うこと。自分では対応できない問題も、相談できる窓口を一緒に調べるなど、問題解決への道筋を示してあげるだけでも十分です。私個人の経験でも、「悩みを聞いてあげる」「いっしょに考える」だけで“ありがとう”と感謝されるケースがほとんどです。 この制度はスマホ相談のプロを育成するものではありません。困っている人に親身になって寄り添う気持ちがあれば、誰でもスマホサポーターとして活躍できると思います。自分はスマホに詳しくないから無理と考えず、ぜひ多くの方にTOKYOスマホサポーターに挑戦していただきたいと思います。

イメージ

一方通行の支援や援助ではなく、人と人の支え合い、サポーターと相談者のふれあいが基本となるTOKYOスマホサポーター制度。参加者が対面で取り組んだ今回の「ロールプレイング研修」で、そのことをあらためて感じることができました。