「『さるびあぷり』を通じたスマホ体験教室」会場レポート
令和6年9月25日、玉川学園コミュニティセンター2F(東京都町田市)において「『さるびあぷり』を通じたスマホ体験教室」が開催されました。
このイベントは町田市内の20を超える商店会が加盟する町田市商店会連合会(以下、町田商連)が主催。独自に開発したスマホアプリ『さるびあぷり』の利用方法などを通して参加者にスマホ操作を体験してもらうイベントです。「活動の場」主催者として町田商連がTOKYOスマホサポーターを募集、アドバイザーとして5名のスマホサポーターが応募・参加しました。
開催当日の会場で「主催者」「参加者」「スマホサポーター」それぞれの立場の方にお話を伺いました。
▲この日は町田商連に加盟する玉川学園商店会と玉川学園南口商店会の会員を対象に開催
左から
●町田市商店会連合会 事務局:池座 小百合さん
●参加者(玉川学園南口商店会):上村 豊さん
●TOKYOスマホサポーター:広瀬 健治さん
アプリの浸透でダイレクトな情報共有へ
主催者:町田市商店会連合会 事務局・池座さん
―今回の体験教室はどのような目的で開催されたのでしょう?
池座さん:町田商連では一昨年に東京都の助成金を利用して『さるびあぷり』というスマホアプリを独自に開発しました。このアプリには2つのモードがあって、ひとつは毎年開催している「町田わくわくスタンプラリー」にスマホから応募できる一般向けのモード。もうひとつは、町田商連に加盟している会員がさまざまな情報を共有できる加盟店向けのモードです。
今回のスマホ体験教室は会員を対象に『さるびあぷり』の利用促進を目的に開催しています。
―会員のアプリ利用を進める理由はなんでしょう?
池座さん:現在『さるびあぷり』の一般登録者は2500名ほどで若い層を中心にご好評いただいています。ただ、加盟店モードの方はスマホに慣れていない会員さんも多く、また認知度も十分とは言えません。
各商店会の会長さんや役員の方は個人事業主さんが多いですし、なかには加盟店が100軒近い商店会もあるので、町田商連からの連絡や行政からの情報を1軒1軒に届けるのはとても大変な作業です。情報共有の機能を備えた『さるびあぷり』が十分に浸透すればこうした負担も減り、大切な情報を会員の皆さんに素早くダイレクトに届けることができます。
―どのような経緯でスマホサポーターを募集されましたか?
池座さん:スマホサポーター制度のことは東京都のサイトで偶然知ったのですが、『さるびあぷり』の問題解決にぴったりだと思いました。自前のアプリのことでスマホサポーターをお願いできるか少し心配でしたが、都の方にご相談をしてスマホサポーターを募集させていただきました。
―スマホサポーター制度をご利用になってどうでしたか?
池座さん:町田市は都心部から離れているのでスマホサポーターの方が集まってくださるかとても不安でした。でも募集に対する反応が予想外によくて、今日は町田市在住の方やお仕事帰りの方などを含め5名のスマホサポーターさんが来てくださいました。
今日参加した会員が参加できなかった他の会員に教えたりすることで、スマホサポーターの方に教わった知識が広がっていくとうれしいです。またそうしたやりとりを通じて会員同士の仲間意識も高まっていくと思います。
▲体験教室では講師の進行に合わせてスマホサポーターが参加者にスマホ操作をアドバイス
―『さるびあぷり』の今後の展望は何かありますか?
池座さん:クーポンや割引サービスのような商店街の振興に役立つ機能が追加できたらいいですね。そのためにも会員の皆さんがスマホで手軽に『さるびあぷり』を使えるようにしたいと思っています。
▲“支え合いの輪”の広がりに期待をする町田市商店会連合会の池座さん(左)と林伸光会長(右)
寄り添った丁寧なサポートが地域活動の助けに
参加者(玉川学園南口商店会):上村さん
―どのようなお店をやられていますか?
上村さん:印刷会社を経営しています。玉川学園南口商店会では役員もやっています。
―今日の体験教室に参加されていかがでしたか?
上村さん:私自身は普段からスマホをよく使うのであまり困ることはないのですが、会員の中には高齢の人もいます。それに商店会の役員としても、スムーズに情報共有ができる『さるびあぷり』を会員みんなに使ってほしいのでこうした機会は貴重だと思います。
スマホに不慣れな人はアカウント登録でつまずく人が多いみたいです。「認証コードって、何?」とか。今日のような場でそうした問題が解消すれば『さるびあぷり』の利用者はもっと増えていくんじゃないかと期待しています。
▲スマホ初心者にとってアプリのアカウント登録は大きなハードルのひとつ
―スマホサポーターについてのご感想は?
上村さん:こうしたイベントを町田商連や商店会で企画することはできますが、自前の人材で当日のサポートまでカバーするのは難しいと思います。今日のようにスマホサポーターの方がすぐ横にいて丁寧にアドバイスしていただけるのは本当にありがたいです。
私たちのような商店会以外でも、町内会や自治会でスマホを使った防災だとか、地域の活動でスマホサポーターはきっと大きな助けになるんじゃないでしょうか。
身近なところから始められる社会活動として
スマホサポーター:広瀬さん
―いつからサポーター活動をされていますか?
広瀬さん:じつは今回が初めてなんです。以前から自分でも参加できる社会活動を探していて、その中でスマホサポーターを知りました。ハードルもそれほど高くなさそうだから自分でもできるんじゃないかと。
―今回の体験教室に応募された理由は?
広瀬さん:私はわざわざ遠くへ出かけて行くのではなく、まずは自宅の近くや通勤の途中など身近な所から活動に参加できたらいいなと考えていました。
私は町田市内に住んでいるので、今回はちょうど良い機会だと思って応募しました。開催時間も19時からだったので仕事を終えてから参加することができました。
―実際にサポーター活動をされていかがでしたか?
広瀬さん:いろいろな年齢層の方が参加されていて、面白かったです。私はiPhoneユーザーなのでAndroidについてはあまり詳しくないのですが、そういった部分は他のサポーターの方にフォローいただいたりしてうまくサポートできたと思います。
初めてのサポーター活動でしたが「自分でも十分に役に立てそうだ」と手応えを感じることができました。また近場で機会があればぜひ参加したいと思います。
商店街の活性化を通じて魅力ある街づくりに取り組む町田市商店会連合会。その活動の一環として開催された今回のスマホ体験教室では、同じ町田市内に暮らす人がスマホサポーターとして参加するなど
“身近な地域での支え合い”がカタチになったイベントでした。
困っている人に寄り添い支え合うことで、地域全体をさらに暮らしやすく活気ある場所に変えていく。その推進力のひとつとして、スマホサポーターの活動にこれからますます期待が集まっていくように感じました。