サポーターズ・ボイス@清瀬市スマホサロン
毎週火曜日に清瀬けやきホール(清瀬市)で開催されている「スマホサロン」。スマートフォンやデジタルサービスについてわからないことや困ったことを気軽に相談できる場として清瀬市民から好評を集めています。今回の取材日も、開場時間前から多くの方がホールに集まり、その人気ぶりがうかがえました。
今回はこのサロンに参加された2人のTOKYOスマホサポーターにインタビューを行いました。サポーター活動の中で感じていることや、これからスマホサポーターに挑戦する人へのアドバイスなどをお聞きしました。
▲スマホサロンは「清瀬けやきホール」で毎週火曜日に開催
▲事前の予約不要、無料で利用できる手軽さが人気
地域のボランティア活動からスマホサポーターに
TOKYOスマホサポーター:小越美子さん
―スマホサポーターになられてどれくらい経ちますか?
小越さん:正確には覚えていないのですが、2年くらいだと思います。
地元が江戸川区なんですが、シニアサポートネットワーククラブというボランティア組織があり、普段はそこでパソコン教室の講師やサポーターなどをしています。
そのクラブの仲間から東京都でもサポーター制度があるからやってみないかと教えられて始めました。
―そのボランティアクラブには、どういうきっかけで?
小越さん:以前から社会貢献をしたいと思っていたのですが、私はスマホやパソコンが好きで、デジタルツールをシニアの方に教えるボランティアクラブがあると知って参加しました。
―サポーター活動はどれくらいの頻度でされていますか?
小越さん:月に7回ぐらい活動しています。今月も5回入っています。
―それはずいぶん多く活動されていますね。
小越さん:同じように活動されている方は他にもいらっしゃいます。ただ、月に7回と言いましたが、もっと多く活動することやその逆もあり、月に1回だけという時もあります。
▲開場前に主催者から当日の流れや注意点などの説明を受けてサポートへ
目標は地元で開催するスマホ相談会
―いろいろなところでサポートを経験されていると思いますが、印象に残ったことなどありますか?
小越さん:地域の自治会主催の講習会だったのですが、講習が終わった後に、お茶やお菓子を食べながらみんなでわいわいと楽しむみたいな。私たちサポーターも一緒にご馳走になったり、お土産をいただいたりなんてことがありました(笑)
―ご近所さんが集まる自治会ならではですね。そうした会は多いですか?
小越さん:まだ少ない印象です、今はやはり行政主体のものが多いですね。でも、場所や主催者によってさまざまで、参加者の数もかなり違います。
広報の問題かもしれませんが、こうした相談会や講習会の存在を知らない方がまだまだ多い気がします。実際に来て「こういう場があるのですね。次はいつやるのですか?」とか、「他の場所でもやっているのですか?」という質問をよく受けます。
一方で主催者側もせっかく場所を用意して開催したのに、予想より人が来なかったというケースもよくありますね。サポートされる人とサポートする人のズレというか、スタートの時点でまだ少し噛み合ってない部分があるのかなと感じます。
―これからも積極的にサポーターとしての活動を続けていきますか?
小越さん:自分の住んでいる地域に自治会や町会があるのですが、地元の集会所でサポーターを集めて相談会をやってみたいなと思っています。
―ご自身で相談会を開催されるということですね。
小越さん:一度自分で主催してみたいっていうこともありますが、私の周りでも「スマホやパソコンのことよくわからないけど、まあいいや」と諦めてしまう方が多いのです。そういった方の手助けになればと思っています。
▲サポーターを集めて地元の集会所で相談会を開くことが目標
より多くの人を受け入れるサポーター活動を
―サポーター活動をされていて良かったなと思うのはどんな時ですか?
小越さん:帰り際に「こんなに優しく教えてもらえて嬉しい」と言っていただけた時ですね。ご家族にはなかなか聞きづらいようで、「息子や娘に聞いても叱られたりして、ちょっと怖いのよね」という話を聞きます。やはり皆さんこういう場を必要とされているのだなと感じます。
ただ、ご高齢の方には足の具合が悪くて来られないという方もいっぱいいらっしゃると思うので、そういう人たちをどうするかというのは、これからの課題だと思います。
―これからサポーターになる人にアドバイスやメッセージはありますか?
小越さん:相談者のなかには緊張されている方もいます。スマホに関することだけでなく、世間話というか、雑談をしてもいいかなと。お歳を聞いて「お若いですね〜」というひと言でもいいと思います。
あと、シニアの方は一回聞いてもなかなか覚えきれないのですよね。「何回も聞きに来ていいですか?」と最初に聞かれることもあります。このスマホサロンの場合は毎週開催されているので、「何回でもどんどん来てください。何でも聞いてください」とお声がけしています。
▲「何でも聞いてください」という姿勢が相手の緊張をやわらげていく
パソコン販売のアルバイト経験からサポーターに
TOKYOスマホサポーター:川合遼一さん
―川合さんは学生だとお聞きしました。
川合さん:はい、大学院の博士課程に在籍しています。
―ちなみにどんな研究をされているのですか?
川合さん:私の専門は新素材メモリーです。新しく開発された素材に電気的な変化を起こしてメモリーとして活用できないかというような研究です。
―なんだかとても最先端なイメージですね。
川合さん:そうですね、世界でもうちの大学でしかやってないような研究です。
―スマホサポーターになったきっかけは?
川合さん:アルバイトで家電量販店のパソコンコーナーで販売員をやっていて、小さい子供から上は80歳から90歳くらいの高齢者まで様々な方の相談や質問に応えていました。
ただ、あくまでも販売員の立場なので、なんでも教えるということはできないですし、場合によっては「ここから先は有料になります」ということもあります。反対に、販売員の立場で売り上げにつながらない部分までサポートをするというのも、やはりちょっと違うなというところもあって…。
それで、行政でそうしたサポートをするサービスってあるのかな?と思って調べたのがきっかけです。
―困っている人をもう少し深くサポートしたくなったということですか?
川合さん:そうです。それともうひとつ。自分の研究は新素材を使ったメモリー分野なので、何十年後になるのか分からないけれど、もしかしたら研究の行き着く先がスマートフォンのようなデバイスになる可能性もあります。そう考えると、人がどういう部分で困っているのか、それを知った上で将来的に作るべき製品はどういうものだろうかと。
現在はアルバイトを辞めていて、そういった方と関わる機会もあまりないので、将来に活かせる可能性のある財産として蓄えておきたいという個人的な目的もあります。
▲サポーターとしての経験が未来のデバイス開発に活かされる可能性も
1回目は公募、2回目は事務局からの依頼で参加
―スマホサポーターになられてどれくらいですか?
川合さん:サポーター登録は1年くらい前にしましたが、研究が忙しかったので実際の活動は今年の9月初めに1回、今回が2回目です。
―今日の参加はスマホサポーターの事務局からの直接依頼を受けたと聞きました。
川合さん:そうです。1回目の9月もこのスマホサロンに参加しましたがその時は公募で、今回は事務局の方から直接ご依頼をいただきました。
前回から少し間も空いていたので、ちょうどいいタイミングだと思って参加しました。
―相談に来た方にお話を聞いたら、このサロンは毎週開催で何度も聞きに来られるから助かるというご意見がありました。
川合さん:そうですね。キャリアショップが主催しているようなスマホ教室は基本的には一回限りの開催が多いですよね。私がアルバイトしていた家電量販店のサポートも、教えるというより、基本的には有償で代行するというのがメインでした。
そうした中で、そのギャップを埋めるような形でこういう場があるのはとてもいいなと思います。
若いサポーターをさらに増やしていくために
―相談者はご高齢の方が多いと思いますが、気をつけていることは何かありますか?
川合さん:気を遣っている点としては、自分の普段の感覚でやってしまうと相手の方がついていくことができないと思うので、話し方をゆっくりにするとか、間を空けるところを少し多めにするとか。スマホ操作もそうですね。なるべくゆっくり動かすというのは気をつけてやっています。
―今のサポーター制度で何か感じるところはありますか?
川合さん:若い年齢層のサポーターがまだ少ない印象です。私は博士課程で基本的に授業を受けていないから、こんな感じで気軽に来ていますけど、私くらいの年代だと平日は仕事、学生だと授業という方がほとんどです。もし興味があったとしても行くことができないっていう方が大多数なんじゃないかなと思います。
時間がマッチングしないっていうのが一番の理由だと思うので、そこは何か良い方法はないのかなって思います。土日とか、夏休みや春休みとか。比較的時間があるタイミングで開催したり。あとは、たとえば大学を通じてサポーター活動を宣伝してもらう。そういったことで、若いサポーターがもっと増えていくのじゃないかなと思います。
▲時間のマッチングでより多くの若者サポーターの参加を
“Can’t”と“Can”に変えていく喜び
―これからサポーターをやってみようという方にアドバイスはありますか?
川合さん:選択肢をつくり過ぎない、というのはひとつのポイントかなと思います。選択肢が多いのは良いことに思えるのですが、多過ぎて結局どれを選べばいいのかわからない。こういうところに相談に来る方は、なおさらそうなんじゃないでしょうか。
あえて選択肢を削って2択とか、多くても3択くらいに削ってあげるっていうのは、意味があることだと思っています。
―これまでの経験も含めて、やりがいを感じるのはどういうところですか?
川合さん:わからなかったものがわかった、できないことができた、というか。相談に来た人の「can’t」が「can」になるところです。その様子を見届けるのがやりがいの部分ですね。
―川合さんご自身も「Can’t」が「Can」になることが好きなんですね。
川合さん:はい。そうでなければ、研究もやっていないでしょうね(笑)
▲サポートはゆっくり相手のペースに合わせながら
今回の取材は、『サポーターズ・ボイズ』と題して、スマホサポーターの方に実際の活動を通じて普段感じていることを中心にお話を伺いました。
インタビューをしたお二人からは、現時点での課題やこれからに向けた改善点など、率直な思いや様々なアイデアをお聞きすることができました。こうしたサポーターひとりひとりの声も活かすことで、TOKYOスマホサポーター制度が今後さらに充実したものに成長していくことを期待したいと思います。